その直流電源装置、
そろそろ限界かも…。
ご存知ですか?直流電源装置は「有寿命設備」です。取替時期の目安を過ぎていませんか?「もしもの時の安心」を担う直流電源装置の点検・更新を怠ると、トラブルの可能性も! 点検・更新を適切に実施し、常に十分な機能を発揮できる状態を保つことが大切です。
直流電源装置の一般的な寿命
非常用の設備のはずが非常用に使えないなんて…。
突然の停電により常用電源が遮断された場合など、いざという時に直流電源装置の構成部品や蓄電池の劣化が進行していて、十分な機能が発揮できていなかったら…。本来、非常時に働かなければならないシステムをバックアップできなかったために、重大なトラブルを招く可能性があります。直流電源装置は、人の生命と財産、社会的な財産・社会インフラなどに関わる「いざという時」に役立つ、とても重要な設備です。
非常時に想定される代表的なトラブルの例
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非常照明が点灯しない
停電や火災の際、お客様の避難誘導活動に重大な支障が出る恐れがあります。
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自家発電設備の始動ができない
消防設備用の自家発電設備の場合、停電・火災時の消火活動などに重大な支障が出る恐れがあります。
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受配電設備の遮断機の遮断・投入操作ができない
停電後、商用電源が回復しても、受配電設備の復電に支障が出る恐れがあり、施設の停電時間が長引いてしまう可能性があります。
交換時期を過ぎた蓄電池を使い続けると、さらなるリスクも!
蓄電池や構成部品の交換時期を過ぎても引き続き使用されていた場合、極端な性能低下にとどまらず、思わぬトラブルを引き起こす原因にもなりかねません。また、蓄電池の周囲温度が高い環境では、劣化がさらに促進されて蓄電池の寿命が短くなり、トラブルが早期に発生する可能性がより高くなるため注意が必要です。
寿命超過時に想定される代表的なトラブルの例
破損
劣化による正極板の伸びで電槽に応力が生じて亀裂が入り、蓄電池が破損する原因となります。
破裂
蓄電池内部には常に水素ガスが充満しています。大きな電流が流れた時に、内部の劣化した鉛部分が溶断してスパークが発生すると、蓄電池が破裂する原因となります。
異臭・発煙・発火
電槽に亀裂が生じた状態で使用していると、電解液(希硫酸)が滲み出して異臭、発煙、発火などの原因となり、最悪の場合には火災の場合となります。
熱逸走
経年劣化で内部抵抗は増加します。特に充電時の発熱によって蓄電池温度が異常上昇すると「熱逸走」の原因となります。
※熱逸走(Thermal runaway)とは…定電圧充電などで設定電圧が高すぎたり、蓄電池温度が非常に高くなったりした場合充電電流が増加し、それに応じて温度がますます上昇する悪循環が生じること。最悪の場合には高温のため蓄電池が破損する。 <SBA S 0405 [蓄電池用語]より>
電源装置の部品交換をしないで使い続けると…?
電源装置を長年ご使用いただいていると、塵埃などの影響による入出力の絶縁の低下や経年による部品の劣化が起こり、装置の信頼性が維持できなくなります。また、劣化した部品が使用され続けていると、最悪の場合には焼損の原因となる場合もあります。電源装置についても、適切な時期に部品交換(オーバーホール)にて修復することが必要です。
直流電源装置は、法令を遵守して適正な運用を行いましょう。
常用電源が遮断した時に備えて、消防用設備等には消防法で非常電源の設置が、防災設備としての機能を有する建築設備には建築基準法で予備電源の設置が、それぞれ義務付けられています。非常電源・予備電源は、どんな時にも正常に機能するように維持・管理することが大切です。
どんなに高性能な蓄電池設備にも寿命があります。
「備えがあるから安心!」とは言い切れません。高性能で信頼性の高い蓄電池設備でも、構成部品の経年劣化や使用環境などの影響により、誤作動や異常動作、容量低下を引き起こし機能停止や故障につながる場合があります。
直流電源装置の寿命に影響する要因
措置鉛蓄電池の容量変化
一定の使用年数が経過すると、経年劣化により蓄電池から取り出せる容量が減少して十分な性能を発揮できないレベルにまで低下してしまいます。
蓄電池設備を常に万全の状態に保つためには
日常点検・定期点検を計画的に行うことが重要です。
蓄電池の種類や形式、充電装置等の部品の種類により、目安となる取替・交換時期が異なります。
日常的な点検に加え、ご使用経過年数に応じた定期的な点検を行うことが重要です。